【18次ものづくり補助金】採択された事業計画書分析-その1

 いつもお世話になっております。あいざわコンサルティング、中小企業診断士の相澤和彦です。
18次ものづくり補助金で支援させていただいた事業者様の事業計画書が採択されました。
 18次ものづくり補助金は大幅に採択率が低下し、厳しい戦いとなり、もちろん不採択の事業者様もおられました。せっかくお声がけいただき、支援させていただいたのにも関わらず、不採択になってしまい、大変申し訳ない限りです。
 2025年は多くの補助金の公募が始まる予定です。今後、採択率を向上させるためにも、採択された事業計画書と不採択の事業計画書の違いを考える活動を始めております。今回は採択された事業者様の事業計画書をChatGPTで分析してみました。



この事業計画書から、「○○」が補助金採択された理由を審査項目と照らし合わせて整理すると、以下の点が考えられます:


(1)補助対象事業としての適格性

  1. 公募要領の適合性:本事業は○○を目指しており、中小企業の付加価値額年平均成長率3%以上の増加を見込んでいます(5年間で8.95%の成長を計画)。
  2. 補助事業の明確な目的:工程の効率化やコスト削減、新たな需要への対応を通じて、高い生産性向上を実現する計画となっています。

(2)技術面

  1. 技術革新性:従来の手作業に頼る工程をオーダーメイドの○○装置で自動化し、均一な品質と短納期を実現する革新的技術が評価されました。
  2. 課題解決能力:熟練技術者に依存していた作業を標準化し、新たな高精度部品に対応可能な設備を導入する具体的な解決策が明示されています。
  3. 指針との整合性:中小企業の特定ものづくり基盤技術高度化指針に基づいた技術開発を行い、グリーントランスフォーメーション(GX)に貢献する計画です。

(3)事業化面

  1. 市場ニーズと収益性:市場の成長性(年率3.72%)に基づき、既存取引先への対応を強化しつつ、新規顧客の開拓を見込んでいます。
  2. 費用対効果の高さ:導入設備の減価償却を考慮しても、3年で初期投資額を回収できる計画が示されており、収益性が高いと評価されます。
  3. 明確な事業スケジュール:導入から運用、営業活動、人材育成に至る具体的な行動計画が策定されています。

(4)政策面

  1. 地域経済への貢献:地域における雇用創出や産業の発展を通じて、地域経済への波及効果が期待されます。
  2. イノベーションの推進:日本の○○産業における重要な技術を実現し、日本経済の構造転換に寄与する事業です。

(5)大幅な賃上げに取り組むための妥当性

  1. 継続的な賃上げ計画:給与支給総額を年率3%以上増加させる計画を立てており、従業員のスキル向上と企業成長を同時に実現する仕組みを整えています。

これらのポイントが審査基準を満たし、事業計画が具体的かつ実現可能性が高いと評価されたことが採択理由と考えられます。

いかがでしたでしょうか?

 ChatGPTは、このように便利ですが、私は事業計画書に使用することはありません。なぜなら、事業計画書の作成には、社長の想いであったり、社員の想いだったり、目には見えない強みや、ビジネスモデルなど多くの情報に具体性が求められるからです。また、事業計画書の内容は財務状況などを網羅的に含むものであり、それらは企業固有のデータや戦略に基づいて作成される必要があります。

そのため、ChatGPTのようなAIの支援は参考程度に留め、最終的な文書の作成には、専門家の知見と責任のもとで進めるべきだと考えています。

 本事業は、素晴らしい技術を持つ事業者様の工程改善と取引先からニーズのある新製品の開発を掛け合わせた事業です。日本の成長産業が市場であることと、既に大手の企業からの引き合いがあることで、事業の実現性が高いと判断されたと思います。

 採択されるコツをよく聞かれることがありますが、これまでに行ってきた事業の実績や経験などの蓄積が重要だと答えさせていただいております。その実績や経験などは、地域貢献や取引先との関係性強化、強みの蓄積、人材の育成につながっているからです。

ご参考になれば幸いです。

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